公益社団法人 日本産科婦人科学会 産婦人科医への扉 −君の力が未来になる−

RECRUIT EVENT : SPRING FORUM

医師10年目前後の産婦人科医が全国から集まり、横のつながりを深めるフォーラム。

SPRING FORUMスプリングフォーラム

REPORT

イベントレポート

第16回スプリングフォーラム開催報告

誰も教えてくれなかった教え方の話
~教えることに向き合う全国の産婦人科仲間と繋がろう~

集合写真

【開催概要】

 2026年02月28日(土)、03月01日(日)に、びわ湖大津プリンスホテルで第16回スプリングフォーラム(SF)を開催しました。
 第16回のテーマは「誰も教えてくれなかった教え方の話 ~教えることに向き合う全国の産婦人科仲間と繋がろう~」です。今回のSFでは、「教わる」立場から、「教える・育てる」立場へと役割が移行する転換期にある若手産婦人科医が、教育者・指導医として必要な視点とスキルを学び、教育への一歩を踏み出すことを目標として開催しました。

 講師は、聖路加国際病院 消化器・一般外科の鈴木研裕 (すずきあきひろ) 先生をお招きしました。鈴木先生は、日本外科教育学会においてSurgeon as Educatorsなどの運営に携わり、外科教育を代表するお一人です。今回は、「明日から使える教え方」に重点をおき、体系的な教育手法や、実際の臨床現場で想定される教育の悩み・問題への対応まで、若手産婦人科医が教育に一歩踏み出すためのイロハをご講演いただきました。

 全国から卒後6年目〜15年目程度の産婦人科医49名(うち、男性29名、女性20名)および 各大学の産婦人科講座の教授5名にご参加いただき、盛況な会となりました。

プログラム

 
 

【フォーラム内容】

◇セッション① アダルトラーニング

 今回のフォーラムでは教育対象を専攻医として設定しました。教育理論としての成人教育の特徴を、最初に講義でしっかりと学びました。

◇セッション② ワールドカフェ

 6人程度の班を入れ替わりながら、自身の記憶に残る教育経験や、より良い指導医とは、といったテーマについて、20分ずつ班を入れ替えながら、計3回の意見交換を行いました。初めましての参加者間で最初はぎこちなくスタートしましたが、アダルトラーニングの理論に基づいた順番で設定されたテーマについて議論するうち、段々と活発な議論が飛び交い、理想の指導医について意見を交わしました。

◇セッション③ フィードバック

 教育場面において、どのような声掛けが学習者にとって有効なのか、講義を通して学んだのち、指導医・学習者(専攻医)・オブザーバーの3つの役にわかれて、実際の場面に則したロールプレイを行いました。指導したい内容がどうしたら学習者に届くのか、「フィードバックはギフトである」という観点で試行錯誤する過程は非常に勉強になりました。

◇懇親会

 1日目のセッションを終え、1日目の最後には懇親会も行いました。美味しいビュッフェに舌鼓を打ちながら、1日学んだあとのリラックスした時間に、各テーブルで会話に花が咲きました。チーム対抗ゲーム・クイズでは、笑いあり、どよめきあり、親睦を深めることが出来ました。

◇セッション④ 5マイクロスキル

 本セッションでは、自身も過去のSurgeon as Educator参加者である未来委員会の青山幸平先生が講義を務め、短時間で効率よく教育を行うための手法である5マイクロスキルについて学び、ロールプレイを通して実践を行いました。2分と制限された時間の中で、5マイクロスキルを通して「1つだけ教える」と思っていてもなかなか難しく、指導側としても学習者側としても、教育を繰り返し積み重ねていく重要さを感じました。

◇セッション⑤ 手術室教育

 手術室における教育手法として、BIDモデルについて講義を通して学びました。まさに「明日から使える教え方」としてすぐに取り入れられる指導法であり、セッション④とあわせて、2日目は具体的な教育スキルを身につけることができました。

◇セッション⑥ 教授企画

 2日間の最後として、いくつかの班に分かれて教授の先生方との座談会を行いました。普段なかなか話すことのない他大学の教授の先生方と交流し、実際に教室運営を行っている立場としての教育理念を伺うことは、参加者にとって非常に有意義な機会でした。

【事後アンケートについて】

 スプリングフォーラム終了後、アンケート調査を実施し、イベントの満足度や考え方の変化に関する評価をいただきました。アンケートへご協力いただいた皆様に、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。おかげさまで、参加者48名(98%)からのご回答をいただくことができました。

 
  

スプリングフォーラム全体の満足度

  
 
 
  

教育の考え方が参加前後で変化したか

  
 
 
  

医学教育(特に臨床教育)の体系的知識についての自己評価

  
 

 イベント全体の満足度は非常に高く、ほとんどの参加者が教育に対する考え方に変化があったと回答しました。また、医学教育に関する理解度について5点満点で評価してもらったところ、参加者平均点はイベント参加前が1.63点だったのに対し、参加後には3.58点と上昇していました。これは、イベントが参加者の教育に関する知識を深める機会になったことを示す結果であると考えます。

ワークショップの評価

 
  

ワールドカフェ

  
 
 
  

フィードバック

  
 
 
  

5 micro skills

  
 
 

 外部講師の鈴木氏の講演も全体的な満足度は非常に高く、医師という同職種の立場としての講演内容が理解しやすかった、という意見が多く上がりました。
 また、今回の講演では3回のワークショップを設けました。すべてのワークショップで9割以上の参加者が有意義であったと回答しています。ワークショップに関する感想には、「ロールプレイでの実践で理解度が深まった」「他の参加者の意見が聞くことができてよかった」などがあり、講義とワークショップのバランスがよく、参加者同士の交流によってより深い理解につながりました。
さらに9割以上の参加者が「1か月以内に今回学んだ内容で後輩教育を実践できそう」と回答し、今後の生活に役立てるものと期待しています。

【最後に】

 講義・ロールプレイを通し、参加者同士が教育に関する悩みを共有し、またその悩みに対してどのように対応するべきか、深い議論を交わすことができました。さらに本年は、昨年に引き続き全国各地の教授の先生方にもご参加いただき、懇親会・教授企画で様々なお話を伺うことができた他、教授の先生方がロールプレイを実践されている様子も拝見し、若手産婦人科医にとって大変刺激となったように感じております。
 今回のスプリングフォーラムが、ご参加いただいた若手産婦人科医の皆様にとって、今後医学教育を学び深めるきっかけとなったのであれば幸いです。
 今後も、日本産科婦人科学会産婦人科未来委員会では、皆様の学びや成長を支援するさまざまなイベントを企画してまいります。引き続き、日本産科婦人科学会産婦人科未来委員会若手委員の活動にご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

スプリングフォーラムワーキンググループ
未来委員幹事:芳川修久、青山幸平、大塚聡代
リーダー:諌山瑞紀
サブリーダー:松井友哉
メンバー:上村小雪、榎本悠希、駒水達哉、髙田美乃莉、田口朋子、行元志門、宮原英之

ポスター